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美容室経営における人材採用は、サロンの成功を大きく左右します。特に紹介採用は信頼性やコストパフォーマンスに優れ、早期離職のリスクも抑えることができる方法です。
- 求人コストを抑えたい
- 信頼できる人材を採用したい
- 早期離職を防ぎたい
本記事では、紹介採用のメリット、効果的な依頼先、そして紹介を効率的に増やす方法について解説します。これから紹介採用を検討している美容室のオーナーやマネージャーにとって、実践に移しやすい内容を目指しています。
- 紹介採用のメリットとデメリット
- 効果的な紹介依頼の方法
- 紹介採用を成功させるためのポイント
紹介採用のメリットは?


信頼性高くコストも抑えられる紹介採用。そのメリットを詳しく解説します。
お互いの信頼度が高い
紹介採用の一つ目のメリットは、お互いの信頼度が高い点です。美容業界では、技術や人柄が非常に重要視されるため、既に信頼関係のある知人から求職者が推薦されることで、その人の能力や性格がある程度保証されます。
面接だけでは見えてこない実際の働き方や人間性を、ある程度把握できることが大きな利点です。また、求職者からしても、知人がすでに働いているサロンという信頼感をもって面接に臨めるため、リラックスした状態で面接を行えます。
注意点は紹介の信頼感にバイアスがかかり、本来見なければならない点を見落としてしまう恐れです。紹介による信頼感を持ちつつも、選考はフラットな目線で行いましょう。
早期離職のリスクが低い
紹介採用のメリットその2は、早期離職のリスクが低いことです。通常、新しいスタッフの採用後は研修やサロンに馴染む期間が必要です。紹介による採用の場合、紹介者が既にサロンの文化を理解していることから、スタッフも馴染みやすくなります。
さらに、紹介者自身が自分の信用をかけて推薦しているため、求職者も責任感を持って仕事に臨むことが多く、早期離職の防止につながります。
実際に私自身も美容師として働き、周りにも美容師が大勢いますが、紹介で入ったサロンを早期退職したという話は聞いたことがありません。
費用が掛からない
紹介採用3つ目のメリットは、費用が掛からないことです。
通常、求人広告を出稿したり、人材紹介会社を利用したりするとコストが発生します。しかし、既存のスタッフや業界の知人からの紹介であれば、コストを大幅に削減できます。
スタッフに紹介料を支払うサロンも多いですが、広告出稿や人材紹介会社の費用と比べて圧倒的に低価格で済みます。また、離職率の低い信頼がある相手を雇えると考えれば、リスクも低くなります。
紹介採用の依頼先は?


紹介採用の成功には依頼先の選定が鍵。代表的な依頼先をご紹介します。
スタッフからの紹介
紹介採用において、最も身近で効果的な依頼先は現在のスタッフです。
スタッフ自身が働く環境を理解しているため、スタッフから紹介される求職者はサロンの雰囲気や業務内容に馴染みやすい人材であることが多いです。
また、スタッフが自分の知人を紹介することで、サロン内のコミュニケーションがさらに強化され、職場の雰囲気も向上する場合があります。
知り合いのディーラー
業界で信頼できるディーラーなど、外部の知り合いからの紹介も有効です。
ディーラーは多くのサロンとつながりがあり、業界の動向や他サロンの才能ある人材を広く把握しています。そのネットワークを活用することで、新たな才能を発掘する機会が広がります。
また、ディーラーの方は転職情報のみでなく、業界の様々な情報を持っていることが多いため、とにかく話だけでも聞いて仲良くなると、様々な情報を得られる場合があります。
母校への訪問
母校への訪問によって、卒業する学生や転職を考えている卒業生を紹介してもらえる場合があります。
学校側は優秀な学生を推薦することで学生のキャリアをサポートしようとするため、サロン側は新鮮な技術や新しいアイデアを持った若手を迎え入れるチャンスを得ることができます。
また、母校への訪問は美容学校のみではありません。私がサロンの店長をしていた時は、高校まで訪問し、恩師から卒業生を紹介してもらい採用をしたことがあります。
母校訪問についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


紹介を加速させる方法は?


紹介採用を加速するための具体的な方法を紹介します。
紹介する側にメリットを提示する
紹介を促進するためには、紹介する側に明確なメリットを提示すると効果的です。
たとえば、紹介が成功した際には、紹介料を支給することで、スタッフや業界の知人が積極的に優秀な人材を推薦しやすくなります。紹介料として支払う金額は、およそ5~10万円が相場です。
注意点としては、社員として働くスタッフに給与として支払う分には問題ありませんが、外部の方へ紹介料を支払った場合、受け取る側に職業紹介の認可がなければ職業安定法により罰則を受けるリスクがある点です。外部の方へは金銭以外の面でメリットを提示しましょう。
スムーズにコンタクトを取れるようにする
紹介採用をスムーズに進めるためには、コミュニケーションのハードルを低くすることが重要です。紹介希望者との連絡手段を用意し、迅速に対応できる体制を整えましょう。
たとえば、オンラインフォーム、メール、または専用の連絡先を設けることで、気軽に情報を共有できる環境を作り出すと効果的です。
たとえ紹介であっても、レスポンスが悪いと求職者に不安感を与えてしまう場合があります。もたもたしていると、他のサロンへ就職してしまうでしょう。
すぐに雇える体制を作っておく
紹介された人材を効率よく採用するためには、採用の流れを迅速に進める必要があります。面接のスケジューリングを迅速に行い、必要な手続きを効率的に完了させることで、求職者に対して良い印象を与えられるでしょう。
採用決定後のスケジュールを事前に準備し、新たなスタッフがすぐにでも業務に参加できるようにすることが重要です。採用後のカリキュラムについてはこちらの記事をご覧ください。


紹介を受けてから準備を始めるのでは、求職者はすぐに働けません。仮に金銭に余裕がなく、すぐに働きたい方だった場合、紹介であっても他のサロンへ就職してしまう場合があるので注意しましょう。
まとめ
紹介採用は、採用戦略に有効なアプローチです。信頼性の高い人材を低コストで確保できる点で特に大きなメリットがあります。
さらに、紹介者自身が信用をかけるため、採用された人材は職場に対する責任感も強く、サロンへの順応も早くなる傾向にあります。
紹介採用を積極的に取り入れることで、サロンの人手不足を解消できるかもしれません。紹介採用をする場合は、事前の準備を徹底しましょう。
よくある質問
紹介採用を行う際、法的な留意点はありますか?
紹介料を支払う際には注意が必要です。社員として働くスタッフに紹介料を支払う場合は、給与にすれば問題ありませんが、社外の方に支払う場合、相手側が職業紹介業の認可を受けていないと違法になる恐れがあります。
紹介採用の際に、どのようにして紹介者に感謝を示すべきですか?
紹介者には、金銭的なインセンティブのほか、公私にわたる感謝の意を表することが効果的です。たとえば、紹介が成功した際には、個別に感謝の手紙を送る、または直接お礼を述べるなど、誠意を持って対応するようにしましょう。
紹介採用で失敗する原因は何ですか?
紹介採用で失敗する主な原因は、紹介された求職者とサロンのニーズが一致しないことです。また、紹介者とのコミュニケーション不足により、サロンが求める資質を誤解してしまうこともあります。明確なコミュニケーションが非常に重要です。
紹介採用の効果を測定する方法は?
紹介採用の効果を測定するには、採用後の離職率、職場への適応速度、生産性の向上などを評価します。また、紹介によって採用されたスタッフの長期的な貢献度や、他の採用方法と比較したコスト効率も分析することが有効です。
紹介採用を活性化させるために、スタッフ全員を巻き込む方法は?
スタッフ全員が紹介採用に積極的に参加するためには、人材の重要性を共有し、全員が参加しやすい環境を整えることが大切です。例えば、紹介結果に基づいて全スタッフに利益が還元されるシステムを導入するなどが考えられます。




