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美容室は、才能や情熱だけでは開業できません。事業を守り、万が一のリスクに備えるためには、保険の加入が必要です。しかしどの保険が必要なのか、どんな保障があるのか、いざというときにどう役立つのかは案外知らないもの。
- どの保険に加入すればいいかわからない
- 保険のカバー範囲や補償内容が理解できない
- 保険料が高くて負担にならないか心配
今回の記事では、これからサロンを開業しようと考えている皆様に、美容室に必要な保険の種類と必要性について詳しく解説します。
今回は連載記事の4回目。全4回に分けて開業の準備を理解していきましょう!
- ⓵美容室を開業する流れを店長経験者が徹底解説|成功に必要なものを揃えよう
- ②美容室の開業に必要なものリスト|設備から消耗品まで全アイテム徹底解説
- ③美容室開業に必要な事業計画書の書き方とポイントを計画の作り方から解説!
- ④サロン開業時に美容室が加入するべき保険の種類とチェックポイントを解説!(今回)
- 美容室が加入すべき保険の種類とその内容
- 保険の選び方とチェックすべきポイント
- 保険に加入することで得られるメリット
開業前に知っておきたい保険の基礎知識


美容室を開く際には、万が一の事態に備えていくつかの保険に加入する必要があります。事業を始める前に、まずは保険の基本について学びましょう。
保険はそもそも何をしてくれるのか?
保険は、予期せぬ事故やトラブルが起こった時に、経済的な損失から守るためサービスです。たとえば、お客様がサロンで転倒して怪我をした場合や、使用した薬剤による肌トラブルが発生したとき、治療費や賠償金の一部を保険が保証してくれます。また、火事や自然災害による損害も保険でカバーされるため、事業再開の支援を受けられます。
保険は様々なリスクに対応するため、サロンの種類や規模、立地に応じて必要な保険が異なります。保険会社によって提供される保険商品も多岐にわたるため、自サロンに適した保険を選ぶためには、業務内容や過去に起こり得た事故の事例を研究し、複数社から見積もりをもらうようにしましょう。
保険はどんな時に必要なの?
保険は予測できない事態が起きたときの商品。サロン運営中に直面しやすい事例をいくつか考えてみましょう。
お客様に怪我をさせてしまった
お客様がサロン内で転倒し、骨折や打撲などの怪我をされた場合や、アイロンなどでやけどさせてしまった場合には、治療費や慰謝料を保険でカバーできます。このような事故は、床が濡れている場所や髪の毛が落ちている場所など、日常的な不注意が原因で起こりうるため、予防策を講じておきましょう。
お客様に薬剤が合わず皮膚に異常をきたした
パーマ液やカラー剤などの薬剤が原因で、お客様にアレルギー反応や皮膚トラブルが発生した場合も、賠償責任保険が保証してくれます。本来カラー材等の薬剤はアレルギーチェックを実施しないといけないものがほとんどですが、万一のトラブルに備えるのは経営者の責任です。
お客様から預かった物を紛失・破損させてしまった
お客様から預かったコートや手荷物を紛失したり、スタッフの不注意で破損させてしまったりする事態も考えられます。保険を使うと、一部の補償を賄えます。普段から扱いに注意するため、事故の予防策を講じ、徹底したうえで保険に加入しましょう。
サロンが火事になった
火災はサロンにとっても大きなリスクです。電気製品のショートや誤った使用が原因で発生することがあるため、火災保険でそのリスクをカバーすることが重要です。もちろん火災は起きないほうが良いため、普段からの5Sを徹底しましょう。
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
スタッフが怪我をしてしまった
スタッフが仕事中や通勤中に怪我をした場合、スタッフの生活を保障するためにも保険が必要になります。スタッフの方が安心して働ける環境を提供するのも経営者の仕事です。
オーナーが怪我・病気で働けなくなってしまった
サロンのオーナー自身が怪我や病気で働けなくなった場合も想定しておきましょう。オーナーは労災に入れないため、オーナーが休業している間、収入が減少してしまう恐れもあるため、保険に加入しておくと休業時の金銭を心配する必要がなくなります。
美容室に必要な保険


美容室の運営には、予期せぬ事態に備えて、さまざまな保険が必要になります。それぞれの保険がどのような時に役立つのかを知り、自分のサロンに最適な保険を選びましょう。
賠償保険
損害賠償保険は、施術中のお客様に対して何らかの損害を与えてしまった場合に、賠償金や治療費用をカバーしてくれます。たとえば、アシスタントが誤ってアイロンを肌に当ててしまいお客様にやけどを負わせてしまったり、デビューしたてのスタッフがカット中に誤ってお客様の耳を切ってしまった場合です。
これらは日々の施術中に発生しうるリスク。賠償責任保険がなければ、サロンの財務状況に深刻な打撃を与えかねません。また賠償保険は、お預かりした荷物の破損・紛失や、薬剤がお客様の服に付着してしまった場合にも対象になる場合があります。
火災保険
火災保険は、サロンが火事によって被る損害を補償する保険です。サロンには薬剤やカットで落ちた髪の毛など、可燃性の物が多くあり、熱を使用する電気製品を頻繁に使用するため、常に火災のリスクと隣り合わせです。
火災が発生した場合、インテリアや備品の損害はもちろん、修復までの間の営業損失も大きな問題。火災保険があれば、経済的な損失からサロンを守ることができます。また滅多にありませんが、強盗などの窃盗被害が起こる場合があります。火災保険によって窃盗被害にも対応できる場合があります。
傷害保険
傷害保険は、サロンのスタッフが怪我をしたときに適用されます。たとえば、はさみやカラー剤の誤使用による怪我や、通勤中での転倒による怪我など、日々の業務における怪我には労災を使用します。労災保険と二重取りが可能なのが傷害保険です。
労災だけでは治療費が不足してしまう場合があります。雇用主の義務である労災保険と併用することで、スタッフの方が安心して働ける環境を保証できる保険となっています。
経営保険
経営保険は、サロンのオーナーが病気や怪我で仕事ができなくなった際に、経営の継続を支援するための保険です。たとえば、オーナーが主要なスタイリストとしても活躍している場合、経営者は労災に加入できないため、オーナーの不在は直接的な収益減とともに、オーナー自身の収入減に繋がります。経営保険があれば、収入の損失を補填し、事業の継続を助けることができます。
保険加入のメリットと注意点


サロン経営における保険は、万が一のリスクに対して経営を安定させるための手段です。保険に加入するとトラブルが起こった際にも、スムーズに対処できるようになります。
保険加入のメリット
保険に加入する最大のメリットはもちろん、リスクからサロンを守ることです。事故や火災が発生した場合、保険がなければその損害をすべてサロンの資金で賄わなければなりませんが、保険があれば負担を大幅に軽減できます。さらに、スタッフやお客様に対して安心と信頼を提供することで、従業員満足度を向上させ、サロンのブランド価値を高めることにも繋がります。最近の就活トレンドとして、社会保障や、保険関係の充実も要素として非常に多いと聞きますので新卒採用をされているサロンは充実度を上げるといいでしょう。
加入の際にチェックするポイント
- 保険のカバー範囲
- 補償金額
- 保険金
- 他社比較
保険に加入する際には4つの注意点があります。保険の種類によってカバーされるリスクの範囲や保険金が違うため、自サロンにとって最も必要な保険を選ぶようにしましょう。また、保険にかかる費用が安いからといって、必要な補償内容が省かれている保険を選んでしまうと、いざという時に十分な補償が受けられない可能性もあります。
保険会社によって保障内容と費用は変わります。少なくとも3社は見積もりを貰い、比較検討するようにしましょう。
まとめ
サロンの開業は、美容師にとっての夢。しかし、その道のりには予期せぬリスクが伴います。保険はサロンを守るために絶対に欠かせないもの。自サロンのリスクを理解し、どのような補償をしてくれるのか、どのくらい費用が掛かるのかを比較検討し加入するようにしましょう。
よくある質問4選
保険はどのタイミングで検討すべきですか?
サロン開業の計画段階から保険の検討を始めると良いでしょう。事業計画に保険料を組み入れ、開業資金に含めておくことで、スタート時から安心して運営に専念できます。また火災保険のように開業前に入らなければならない保険もあるため、直前に慌てないためにも事前に検討しておきましょう。


保険会社やプランはどのように決めるべきですか?
保険にかかる費用と補償範囲の見積もりを複数社から貰い、自サロンに合った保険を選択してください。各社を比較検討しアドバイスを貰える窓口なども各所にあるため、悩んだら相談に行くのも一つの手です。慎重に決めるようにしましょう。


保険加入後の更新はどうすればいいですか?
保険契約は通常、1年ごとに更新が必要です。更新時には、新たに変更された事項やリスクを保険会社に通知し、契約内容の見直しを行うことが重要です。
今までトラブルが起きたことがないのですが、保険は必要ですか?
もちろん義務を除き、保険加入は個人の自由です。ただ、重要なのは「トラブル・事故はいつ起こるのか分からない」という点です。普段から気を付けていても起こりうる万が一に対して、補償が有ると無いとでは大きな差があります。


