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美容学生や転職先のサロンを探す美容師にとって、サロン見学は重要な第一歩です。しかし、どのように予約すべきか、見学時には何を着ていくべきか、どんな質問をすべきかなど、気になる点は多々あります。
- サロン見学で何を聞けばいいかわからない
- どんな服装で行けば良いのか悩んでいる
- サロンの雰囲気を知りたいが、どう確認すれば良いかわからない
この記事では、サロン見学のマナーから適切な服装選び、重要な質問内容まで、元美容室店長の視点から解説していきます。
- サロン見学で聞くべき質問とその理由
- 見学時の適切な服装やマナー
- 見学時にチェックすべきサロンのポイント
まずは予約しよう


サロン見学最初のステップは、予約をすることです。予約方法は、電話予約とメールや受付フォームを利用する方法があります。それぞれの方法にマナーがあるため解説していきます。
電話予約でのマナー
サロンの電話には、お客様からの予約やお問い合わせ、営業電話など様々な用件で電話が来ます。電話予約をする際には、まずは自己紹介と目的を明確に伝えましょう。自分は何者で、どのような用件で電話しているのかを明確に伝えなければなりません。学生であれば、自身が通っている学校の名前も合わせて伝えましょう。
電話の際は、お互いの顔が見えない状態で会話をするため、簡潔で丁寧な言葉遣いを心がけ、見学の目的や希望日時をはっきりと伝えましょう。他業種と比較するとフランクな印象のある美容業界ですが、大人同士の会話ですので、相手に敬意を持ち、言葉遣いに気を使いながら話しましょう。
また、電話をかける時間帯は、サロンが忙しくない時間を選ぶと良いでしょう。一般的には平日の午後が適しています。電話をする際には必ずメモを用意し、当日の時間と担当者のお名前は確実に抑えておきましょう。
メールや受付フォームでのポイント
メールや受付フォームを利用する際には、敬語を正しく使い、丁寧な文面を心がけましょう。自己紹介、見学の目的、希望日時を明確に記載し、簡潔に要点をまとめることが大切です。文面でも電話と同様に、相手に敬意を持った言葉遣いを心がけましょう。敬語が使えていない時点で採用が遠のく場合もあります。
また、読みやすいフォーマットを意識し、長すぎる文面は避けましょう。メールの場合は、件名を「サロン見学のお願い」とするなど、目的が一目でわかるようにすると良いでしょう。
見学時のマナー


サロン見学時には、礼儀正しい行動とマナーが求められます。事前準備の徹底、時間管理、コミュニケーション、持ち物の準備など、細かなポイントに気を配ることが重要です。
事前に情報収集をしよう
サロン見学前には、そのサロンの基本情報を事前に収集しましょう。サロンのウェブサイトやSNS、口コミサイトなどを利用して、サロンの特徴、提供するサービス、スタイリストのスタイル写真などを調べましょう。サロンの雰囲気や方針を理解し、見学中の質問や会話で深い興味を相手に示すことができます。
時間に余裕を持って行動しよう
見学の日は、予定時刻よりも少し早めに到着するようにしましょう。交通機関の遅延や道に迷う可能性も考慮し、余裕をもって行動してください。時間厳守は、社会人にとって最低限度のマナー。遅れそうな場合は、必ずサロンに連絡を入れるようにしましょう。
受け答えはハキハキと
サロン見学中のコミュニケーションでは、明確かつポジティブな態度での受け答えが大切です。スタッフや経営者への敬意を表しつつ、自分の興味や質問をハキハキと伝えましょう。また、挨拶の際には笑顔も忘れずに。第一印象は出会ってすぐに決まってしまいます。これからサロンで働くことをイメージし、悪印象を与えないようにしましょう。
メモと筆記用具を忘れずに
サロン見学には、メモ帳や筆記用具を持参しましょう。見学中に気になった点や質問、サロンの特徴などをメモすることで、後での振り返りが容易になります。また、名刺があれば交換することで、今後の関係構築に役立ちます。余裕があれば、自己紹介や質問事項をまとめた小さなファイルを持参するのも一つの方法です。
サロン見学には何を着ていけば良い?


サロン見学の際の服装は、サロン側に与える印象に直結します。適切な服装選びは、サロンの雰囲気や文化に敬意を表す行為です。
見学者の服装もサロン全体の印象に繋がる
見学者の服装は、サロンの印象にもつながります。サロンに来店しているお客様からすると、見学者もスタッフの一員として見られます。サロンは忙しい中で時間を作り見学者を受け入れています。見学者がサロン全体の印象を下げるような服装をしていた場合、見学者に対するサロン側の心象はマイナスになってしまいます。
忙しい中でも自分のために時間を割いていただいている点を忘れずに、サロン側に敬意を払う意味でもサロンの印象に悪影響の出ない服装を選びましょう。
カジュアル過ぎ・派手すぎはNG
サロン見学においては、カジュアル過ぎる服装や派手すぎる服装は避けましょう。特に、ジーンズやTシャツ、派手なプリントやアクセサリーはNG。
代わりに、スマートカジュアルな服装を選ぶと良いでしょう。白いシャツやジャケット、きれいめなスカートなど、失礼に当たらない服装が好ましいです。靴も、高いヒールやサンダルは避けましょう。
サロンの雰囲気に合った服装を
サロンごとに雰囲気やコンセプトは異なります。事前に調査したサロンの特徴に合わせて、服装を選ぶと良いでしょう。例えば、高級感のあるサロンでは、少しフォーマルに寄せた服装が適切です。一方、カジュアルなサロンでは、きれいめカジュアルが良いでしょう。サロンのウェブサイトやSNSでスタッフの服装を参考にするのも一つの方法です。
サロン見学で聞いておきたい質問


サロン見学はサロンで働くスタッフの方に、直接お話を伺える貴重な機会です。質問を通じて、サロンのコンセプト、教育制度、日常の業務の流れなどを理解し、自分に合った職場かどうかを判断するための情報を得ましょう。
サロンのコンセプトとこだわり
サロンのコンセプトやこだわりは、そのサロンがどのような価値観を大切にしているか、どのような方針で経営しているかを把握する上で重要です。
たとえば、「このサロンのコンセプトや特に力を入れている点は何ですか?」と質問することで、サロンのビジョンや特色を知ることができます。また、スタッフの仕事に対する熱意やサービスへのこだわりも見えてくるでしょう。
サロンの教育制度
美容師として成長し続けるためには、充実した教育制度が整っているサロンを選ぶ必要があります。サロンの教育制度を尋ねることで、研修の内容や頻度、上達へのサポート体制、自身のキャリアビジョンに役立つのかを知ることができます。
またあわせて一日の新規客数やフリーのお客様の数も聞けると良いでしょう。せっかく入社したのにお客様を全然担当できないというケースにもなりかねません。自分が働くというビジョンを持ちながら質問しましょう。
一日の流れ
サロンでの日常の業務の流れを知ることは、実際の仕事内容や労働環境を理解する上で役立ちます。「普段の業務の流れはどのようになっていますか?」と質問することで、サロンでの一日のスケジュールや業務の忙しさ、スタッフ間の協力体制などを把握できます。一日の流れを知ると、実際に働くイメージをつかむのに役立ちます。
サロン見学時に見るべきポイント


サロン見学では、聞くだけでなく、自分の目で確かめるべきポイントもあります。サロンの雰囲気、客層、設備など、実際に目にすることで得られる情報は、サロン選びの重要な判断材料となります。
サロンの雰囲気
サロンの雰囲気は、働く上での快適さやモチベーションに大きく影響します。「スタッフの間のコミュニケーションはどのような感じですか?」などの質問も有効です。また、サロンの清潔感や整頓されているかどうかも、チェックするべきポイントです。働く環境としての快適さを感じられるかどうかを見極めましょう。
特に人間関係は離職の大きな原因です。入社する前に、スタッフ同士の会話があるのか、バックヤードでどんな表情なのかなど、実際に自分がスタッフの輪に入れるのかをイメージしながら見学しましょう。
筆者は人間関係を特に重視して探し、ちょっとでも違和感を感じたところはそれ以外がすべて良くてもNGにしていました。そのおかげでストレスなく働けていました。
サロンの客層
美容師は接客業のため、サロンに来店されているお客様は、入社後に自身が接客するお客様です。サロンに訪れるお客様の年齢層やスタイル、サロンがターゲットとしているお客様の層を観察しましょう。
自分の技術や接客が活かせる環境かどうかを判断する材料になります。もしも来店されているお客様では判断できない場合、直接質問してみましょう。
サロンの設備
美容師はハードな職業です。長時間の立ちっぱなしによる疲労、シャンプーや薬剤による手荒れ、無理な姿勢維持による腰痛など、体に負荷がかかります。体の負担を軽減する設備が整っているのかも確認しましょう。
疲労軽減につながるカットチェア、手荒れを予防する手袋、腰の負担を軽減できるバックシャンプーなど、実際に働く際に自身の体を労われるのかも重要なポイントです。
見学後にやるべきこと


サロン見学を終えた後には、感謝の意を表すことと、見学で得た情報を整理することが重要です。これにより、サロンへの印象をより良く保ち、自分のキャリアに役立てることができます。
必ずお礼をしよう
見学を終えたら、まずはサロンのスタッフや経営者に感謝の意を伝えましょう。直接お礼を言うのはもちろん、後日メールや手紙で改めて感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。また、感謝を伝えるためにも見学時に担当していただいた方の名刺や、連絡先を聞いておきましょう。
サロン側は忙しい中で時間を作ってくれています。感謝を伝えるのは礼儀であり、社会人として当然のマナーです。また、礼儀正しさを示すと、良い印象を残すことにつながります。
質問や見学で感じたことをまとめよう
見学で得た情報は、後で振り返るためにも整理しておきましょう。見学中にメモしたポイントや感じたこと、質問の回答内容などをまとめましょう。
サロンの特徴や自分に合った職場かどうかをより明確に判断できるようになります。また、今後のキャリアプランを考える際の参考にもなります。
まとめ
サロン見学は、美容師としての将来に影響を及ぼす大切なプロセスです。見学予約から服装選び、質問の仕方に至るまで、細部にわたる配慮が求められます。この記事では、それぞれのステップでのポイントを解説しましたが、肝心なのは、そこで働く意識を持つこと、見学を通じて得た情報や経験を自分のキャリア形成に活かすことです。
サロン見学は、自分自身を知り、理想のキャリアパスを描く貴重な機会となります。美容師としての道を歩む上で、この経験が大きな財産となるでしょう。
よくある質問
サロン見学の際、持参するポートフォリオは必要ですか?
ポートフォリオの持参は必須ではありませんが、自分の技術やセンスを示す良い機会となります。特に新卒の就職やインターンシップがある場合は、自己PRのために持参すると良いでしょう。また、ポートフォリオとして、Instagramのアカウントに写真を掲載している場合、アカウントを見てもらうのが良いかもしれません。
見学時にスタッフとの交流は求められますか?
見学時にスタッフとの交流は、サロンの雰囲気を感じる上で有効です。直接お話できる貴重な機会なので、積極的に交流すると良いです。ただし、スタッフが忙しい場合は、適度な距離を保ち、邪魔にならないよう注意しましょう。
見学中に写真を撮ってもいいですか?
サロン内での写真撮影は、事前に許可を得る必要があります。無断での撮影は、プライバシーや著作権の問題に触れる可能性があります。また、無断でいきなり写真を撮るのはマナー違反に当たりますので、必ず許可を得ましょう。
見学を断られることはありますか?
サロンによっては、スタッフの手が空かない、採用をしていないなどの理由で見学を受け入れていない場合があります。断られた場合は、他のサロンを検討するか、見学が可能になる時期を尋ねると良いでしょう。またお客様として料金を払っていくのも違った目線で見学できるためおすすめです。
見学後に興味が薄れた場合、どのように対応すべきですか?
見学後に興味が薄れた場合でも、礼儀正しく感謝の意を示すことが重要です。また直接的な拒否よりも、「検討させていただきます」と伝える方が適切でしょう。




