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美容師が独立を検討するときの候補にあがる働き方のひとつが一人美容室。自分ですべて決められる自由度が魅力です。
- 一人サロンでどのくらい自分の時間ができるのか不安
- 自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現したい
- 予約がない時間を無駄にしたくない
今回は自分自身も開業経験のある私が、具体的な自由度と制約を解説していきます。
- 一人美容室の自由時間の使い方のメリット
- 時間を有効活用するための具体的な方法
- 働きすぎを防ぐためのポイント
一人美容室はどのくらい自由に時間を使える?


独立して一人美容室を経営する場合、一般的なサロン経営と比べて自由に時間を使えます。その自由度を最大限に活かすことで、多様な生活スタイルや収入の最大化が実現可能となります。
予約可能時間を自分で決められる
一人美容室の経営者は、予約を受け付ける時間帯や営業日を完全に自分で決定できます。自分の得意な施術に合わせてニーズのある地域に出店し、お客様のライフスタイルに合わせて営業時間を選びましょう。
例えば、会社終わりのお客様が求めている夜の時間にサロンの多くが営業していない地域もあります。需要をキャッチすれば、グループ企業にはできない柔軟なサロンワークが可能です。
予約が入っていない時間を自由に使える
予約が入っていない時間帯は、自分の時間として自由に使うことができます。空き時間を活用することで、他ビジネスへの取り組みやスキルアップのための勉強、プライベートな趣味や休息に使うことができます。
極端な話、売り上げさえ安定していれば好きなだけ遊べます。たとえば、一ヶ月の売上目標を半月で達成した場合、残りの半月は自由。このような柔軟性は、従業員を持つサロンでは難しいでしょう。
夜はバーテン・ある日はコスプレイヤーという人も
一人美容室の経営者には、美容師以外の仕事やアクティビティに取り組む人もいます。例えば、夜はバーテンダーとして活動したり、休日にコスプレイヤーとしてイベントに参加するなど、多様な活動が可能です。
予約管理しやすい
一人美容室の予約管理は非常にシンプルです。従業員を持つサロンとは異なり、自分だけのスケジュールと顧客データを一元管理するため、ミスやダブルブッキングのリスクが大幅に低減します。また、お客様とのコミュニケーションも密になり、サービスの質を高められるでしょう。
大規模な予約管理システムを導入しなくてもいい点も魅力です。
フリーランスとの違いは?


フリーランスの美容師と一人美容室の経営者。どちらも独立して働く業務形態ですが、働き方には多くの違いがあります。
我流で突き進みたいなら一人美容室
一人美容室の最大の魅力は、自分のスタイルや価値観を最大限に生かせることです。従業員や他のフリーランスと協力する必要がなく、自分だけのビジョンを追求できます。例えば、特定のヘアスタイルや技法に特化したサロンをオープンする、あるいは特定の顧客層に特化したサービスを提供するなど、独自のブランディングが容易に行えます。
例としては、ダブルカラー専門店や、髪質改善専門店、ボブ専門店などの特化型美容室があります。
フリーランスは他人の予約が押して自分の客を通せないことがある
フリーランスの美容師は、他のスタッフと同じサロンで業務を行うことが多いです。このため、他のスタッフの予約が遅れたり、サロン全体のスケジュールに影響が出る場合、自分の予約時間が狭められるリスクがあります。例として、あるフリーランスの美容師が取った予約時間が、他のスタッフの遅れにより自分のお客様を席に通すのが遅れてしまうことはよくあります。
共用スペースの汚れが自分の売り上げを圧迫する
フリーランスとして他の美容師と同じサロンを共用する際、そのサロンの清潔さや環境が顧客の評価に直結します。もし共用スペースが常に汚れていると、直接的に自分のサービスの評価を下げてしまいます。一人美容室は自分次第なので、そのようなリスクはありません。
一人美容室のメリット


一人美容室経営には、多くのメリットがあります。自分が望むスタイリストのライフスタイルとマッチするか、考えながら読んでみてください。
自分の望むライフスタイルを送れる
一人美容室を経営する最大の魅力は、自由度の高さです。独自の営業時間を設定したり、自分の得意な技術やスタイルを重点的に提供できます。たとえば、平日の夜や週末のみの営業、逆に平日のみの営業など、ライフスタイルや家庭の事情に合わせて営業時間を調整することが可能です。
時間の調整により、お客様第一の予約枠を確保しながらプライベートとのバランスを取りやすくなります。
他人に割く時間が少ない
一人美容室は他のスタッフや従業員とのコミュニケーションが不要なため、業務に集中しやすい環境を作れます。
教育が不要
従業員を持たない一人美容室では、新人教育や継続的なスキルアップのためのトレーニングを考える必要がありません。教育にかかる時間やコストを節約し、自身のスキル向上やサービスの質を向上させるための時間を確保できます。
会議などがない
スタッフミーティングや定例会議が不要なため、効率的に業務を進めることができます。お客様とのコミュニケーションやサービス向上に専念する時間が増えるため、結果として顧客満足度も向上する可能性があります。
一人サロンのメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


一人美容室のデメリット


一人美容室は魅力的な側面が多い一方、その経営スタイルにはデメリットや課題も存在します。いきなり経営者になる前に、デメリットを把握して対策を考えておきましょう。
自分が予約を取れないと赤字になる
一人美容室の収入源は自分が提供するサービスがすべてです。予約が少なければ収益が落ち込み、赤字のリスクが増えます。たとえば、通常の多人数での美容室では、他のスタッフの予約が埋まっていればある程度の収益は確保できますが、一人美容室ではその安定感が得られません。このリスクを最小限にするためには、積極的な集客活動やマーケティングが不可欠です。
自由だから逆に働きすぎる
一人での経営は自由度が高い一方、経営責任もすべて自分一人にかかってきます。これが原因で、働きすぎるケースがあります。特に休日を自由に設定できるため、休むことなく連日の営業を続けるというパターンも。しかし、長期的な視点で見ると、このような過労は身体的・精神的な健康リスクが高まります。
数字がついてまわる
収益や支出、お客様の人数など、経営に関するあらゆる数字が経営者自身の責任となります。常にこれらの数字をチェックし、経営の方針を考える必要があります。例えば、ある月の売上が目標を大きく下回った場合、その原因を突き止め、改善策を考えなければなりません。
怪我・病気のリスク
一人で営業していると、怪我や病気の際にお財布が直接的な影響を受けます。特に一人美容室の場合、経営者自身が仕事を休むと収入が途絶えてしまいます。そのようなリスクを回避するためにも、事業用の保険に加入することを強く推奨します。例えば、事業用の傷害保険や所得補償保険など、美容師向けの専門の保険商品も多く存在します。


まとめ|バランス感覚を大切にして効率よく働こう
一人美容室は、自由度が高く、自分らしいサービスや営業スタイルを追求することができるメリットがあります。しかし、その自由度が逆にプレッシャーや過労の原因となることもあるため、バランスの良い経営を心がけることが大切です。また、一人での経営はリスクも伴うため、適切な保険加入や健康管理にも気を付ける必要があります。
よくある質問
一人美容室の開業資金はどれくらい必要ですか?
500~600万円が開業に必要な一般的なコストです。立地や揃える設備によって変動があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。


一人美容室でも美容師の免許は必要ですか?
はい、美容師として業務を行うには、美容師免許が必要です。
保険に加入する場合、どのようなものがおすすめですか?
一人美容室の場合、業務中の怪我や病気、火災などに備えるための保険がおすすめです。


