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サロンが他店と差別化するための鍵、「ブランディング」。ブランディングとは、単なるロゴやデザインを超えた、サロンの独自の価値をお客様に伝えること。サロンの個性を明確にし、お客様との感情的な絆を深めることで、ただのサロンを超えたブランドを築けます。
- 新規のお客様が増えない
- 価格競争に巻き込まれている
- サロンの認知度が低い
この記事では、具体的な手法までを解説します。ブランド価値の向上、価格競争からの脱却、効果的な集客、スタッフ満足度の向上など、ブランディングがサロンにもたらすメリットは計り知れません。
- ブランディングの基本とその重要性
- 効果的なブランディングの具体的な方法
- ブランディングによる集客と客単価向上の仕組み
そもそもブランディングって?


ブランドの語源として「自分の家畜を他者の家畜と間違わないように焼き印を押す」と言われています。転じてBrand+ingであるブランディングとは「自社のサービス・商品を他者のサービス・商品と差別化し、ブランドとして広める行為」を指します。
サロン自体は競争が激しく、飽和状態ですよね。集客には自サロンでしかできないことや自サロンが特化している強みを打ち出し、お客様にサロンのファンになってもらうことが重要。そこで登場するのがブランディングです。
ブランディングは、ロゴやデザインを超えた概念です。「ブランド」はロゴやデザインが目に入った際にイメージされるもの。ロゴやデザインを見た際に特定のイメージを持たせるための施策を「ブランディング」と言います。サロンが提供するサービスの質、スタッフの専門性、お客様との関係性、さらにはサロンの倫理や価値観までを含みます。
たとえば環境に配慮した製品を使用するサロン、独自のヘアケア法を開発したサロン、または地域社会に貢献するサロンなど、それぞれがブランディングに役立ちます。
ブランディングにおいて重要なのは、お客様がサロンに対してどのような感情を持つかです。たとえば、「このサロンでしかない技術がある」「ここのスタイリストは自分の好みを完璧に理解してくれる」など、お客様がサロンを選ぶ際の理由は、技術的な面だけでなく、感情的な結びつきに基づいていることが多いのです。感情的な結びつきが形成されると、お客様はリピーターになり、さらには口コミによる認知度向上にも繋がります。
ブランディングのメリットは?


ブランド価値を高められる
ブランディングが成功すると、美容室はただのヘアカットやカラーリングを提供する場所から、特定の価値や体験を提供するブランドへと変化します。ブランド価値が高まると、お客様はサロンを選ぶ際に強い印象を持つようになります。これは競合他社との差別化ができたということ。
たとえば最近だとオタク向け美容室が漫画やアニメが見れるようになっており、その界隈のお客様が集まりやすくなります。ブランディングによってターゲットとする客層を明確にし、ターゲットに強く訴求できます。
価格競争に巻き込まれなくなる
強力なブランドを築くことで、価格だけで競争する状況を回避できます。ブランドを意識するお客様は、価格以上の価値、たとえばサロンの独自性や提供する体験を重視するようになります。ブランドのファンになったお客様は、少々の価格差であれば気にせずに来店されるようになります。
いわゆる「ハイブランド」をイメージすると分かりやすいのですが、「物を持ち運ぶ」という目的だけであれば、ビニール袋でも十分に使えます。しかし「ハイブランド」の鞄が売れているのは、ブランド自体のファンになっているからです。
サロンであれば、自サロンにしかない価値や技術を押し出すと「そのサロンにしかない」という価値をお客様に提供できるため、価格による他店との差別化が必要なくなります。
集客に効果的
ブランディングが成功すると、既存のお客様を維持しやすくなります。お客様はブランドに惹かれて来店しているため、集客がより効果的になります。
また、サロンへの愛着を持ったお客様は、自然とサロンを他人に推薦するようになります。口コミは新規のお客様に対する最も信頼性の高いマーケティング手法です。何かに特化していたり、使用している薬剤が特徴的といった強みは、他店との差別化に有効。口コミを介して新規のお客様を呼び込むのにブランディングは欠かせません。
スタッフ満足度や求人にも◎
ブランディングはスタッフの満足度やモチベーションにも有効です。ブランドに誇りを持てる環境は、スタッフが長期間にわたって働きたいと思える職場を作り出します。スタッフが座ったまま施術できる夢シャンや、バレイヤージュやシャドウルーツなど専門的なカラー技術などは、美容に敏感な美容師にとって魅力的なため、サロンの離職率を低下させられます。
また慢性的な人材難である美容業界で求人に優位に立てます。私自身の話になってしまいますが、腰痛持ちのためバックシャンプーがないサロンで働きたいとは思えませんし、最先端の薬剤を採用しているサロンは、自身の好奇心を抑えられず応募していました。サロンの求人において、スタッフの満足度や好奇心は外せない要因です。
ブランディングの第一歩


まずはコンセプト設計
ブランディングの成功は、魅力的なコンセプト設計から始まります。サロンの核となる理念や価値観、提供している商品やサービスの特徴を明確に定義しましょう。コンセプトは、サロンの個性を表現し、お客様に提供する価値の基盤となります。
コンセプトはサロンの運営方針を決定する、基盤となる部分です。決して揺らぐことのない羅針盤となるため、なるべく具体的な3C分析の後に決定しましょう。コンセプトに焦点を当てた記事もありますのでご一読いただければ幸いです。


Customer(お客様)・Competitor(競合)・Company(自社)の頭文字をとった、経営環境を分析する考え方のこと。新規ビジネスを検討する際には3C分析が必須です。
客層の選定
ターゲット層を明確にすることも、ブランディングの重要なステップです。年齢層、性別、趣味・関心、ライフスタイルなど、サロンが最も魅力を感じるお客様の特性を明確にします。ターゲット客層を明確にする方法として、ペルソナ設計があります。
ターゲットにするお客様の具体的なイメージ。
ポイントは可能な限り具体的な人物像を作ること。
ペルソナを設定することで施策に一貫性が生まれる。
例)
- 25歳女性
- 居住地:蒲田
- 勤務先:五反田の保険代理店のOLさん
- 趣味:カフェ巡り、ランチ
- 髪が細く、傷みやすいことが悩み
- 髪の毛に疎いわけではないけど正しいケア方法を模索中
たとえば、若い女性をターゲットにしたサロンは、Instagramなどでの情報発信を中心とするなど、具体的な情報発信方法を選択できます。ターゲットに合わせたアプローチは、ブランドイメージを明確にし、お客様に響くサービスに繋がります。
統一感を持つ
ブランディングにおいて一貫性・統一感は重要です。
- サロンのロゴ
- 色使い
- フォント
- ウェブサイト
- SNSの投稿
- 店内のデザイン
- 雰囲気 など
ブランドを表す全ての要素が一致するようにしましょう。一貫性があることで、お客様はブランドを認識しやすくなります。
ブランディングの要は「お客様が見てどう感じるか」です。成功しているブランディングは、お客様が一目見た際に「〇〇らしい」と受け止められます。デザインや方向性に一貫性を持つと、「〇〇らしい」とお客様のイメージに結び付きやすくなります。
例えば、髪質改善系のサロンでハイトーンで色は綺麗だが、毛先がパサついているような画像があると、お客様から見て髪質改善とは??なってしまいますよね?
具体的なブランディング方法


ウェブ・SNS
ウェブサイトやSNSは、現代のサロンをブランディングする上で欠かせないツールです。インターネット上で、サロンのコンセプト、提供するサービス、スタイリストの紹介、お客様の声などを掲載することで、サロンの魅力を際立たせます。特にSNSは多くのユーザーが無料で閲覧できるため、サロン集客の強い味方になってくれます。
たとえば、Instagramでは、施術のビフォーアフターを写真・動画で示すことにより、技術力の高さやサービスの質を直感的に伝えることができます。また、FacebookやTwitterを通じて、サロンのイベントやキャンペーンの情報、スタッフの日常を共有すると、お客様との関係を深めることもできます。
接客・施術レベル
サロンをブランディングする際には接客と施術レベルをアピールしましょう。お客様がサロンで過ごす時間で、単なる施術以上の価値を提供できる空間にすると良いしょう。お客様一人ひとりに合わせた丁寧な接客、技術力の高い施術、そしてサロンでの全体的な体験は、お客様にとってのブランドイメージを左右します。
スタッフ全員が高い接客スキルを持ち、それぞれのお客様に合わせたカウンセリングやアドバイスを行うサロンは、「自分の要望が完全に理解してもらえる」という印象を持たれます。
また、独自の施術技術や製品を用いることで、他のサロンとの差別化を図り、お客様に強いブランドイメージを植え付けることができます。簡単なものでいえば、施術の合間にお客様に提供するドリンクの種類や、スタッフの服装に統一感を持たせるだけでも効果的です。
サロンの内装
サロンの内装はブランディング上、非常に重要です。内装はサロンのコンセプトや雰囲気を具現化し、お客様がサロンにいる間、ブランドの空気感を感じてもらう設備です。
最近(2023年11月現在)で言えば、コロナの影響もあり全個室が最たる例でしょうか。サロンで施術を受ける間は、周りと隔絶し、自身の理想をかなえるための場所を提供するのが成功しているブランディング良い例になります。
ほかにも、施術レベルや内装に費用が掛かりますが、高級感を前面に押し出したサロンは、価格をある程度高めに設定したメニュー作りができるためおすすめです。
まとめ
サロン独自のコンセプト設計から始まり、ターゲットの明確化、すべての要素における統一感の確立に至るまで、ブランディングは長い道のりをかけて行う作業です。
ウェブサイトやSNSの活用、接客と施術の品質向上、そして印象的な内装デザインなど、具体的なアプローチを通じてブランドイメージを築けます。ブランディングを通してお客様のファン化、サロンの収益性と競争力を高められます。今回の記事で紹介したブランディングの手法を活用してみてください。
よくある質問
ブランディングにおける口コミの重要性は?
口コミはブランディングにおいて最も重要です。ブランディングはお客様にブランドイメージを持っていただくために行う施策です。またお客様の口コミは、サービスの改善点を理解するのに役立ち、新規のお客様がサロンを信頼するための手掛かりになります。
ブランディングにおいてロゴやデザインの役割は?
ロゴやデザインは、サロンのブランドイメージを視覚的に表現する要素です。ロゴやデザインは第一印象、お客様がサロンを認識しやすくするための目印となります。お客様がロゴやデザインを見た際に、良いイメージを持っていただき、来店していただくのがブランディングの目的になります。
小規模サロンでもブランディングは重要ですか?
規模に関わらずブランディングは重要です。小規模サロンでもブランディングを行うと、限られたリソースの中で効果的にお客様にアプローチし、独自のニッチ市場を確立できます。むしろ中小規模のサロンが大企業に対抗する策がブランディングとも言えます。
ブランディングはすぐにできる?
ブランディングの成功には時間がかかります。コンセプトの設計やSNS戦略が整っていれば比較的早く行えますが、スタッフの方への周知徹底を行った後に、お客様へのイメージ浸透、その後にようやくブランド形成ができるため、短期間で効果が出るわけではありません。
ブランディングの効果を測定する方法は?
ブランディングの効果を測定する方法には、お客様のリピート率、新規のお客様の獲得数、SNSのフォロワー数やエンゲージメントの増加、オンラインでのレビューや評価などがあります。お客様からのフィードバックを定期的に追跡することで、ブランディング戦略の成果を評価し、必要に応じて調整することができます。


