この記事を書いた人
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こんにちは、東京・明大前で美容室「mulah」を運営している、プロカメラマンの佐藤です。今回は美容室の新規集客と求人力を高めるためのコンセプトづくりに焦点を当てて解説します。
- 美容室のコンセプトが定まらない
- 集客力が弱く、リピーターが増えない
- 競合店との差別化ができていない
美容室が集客するためには、技術やサービスだけではなく、魅力的な「コンセプト」が必要です。コンセプトの重要性や、その作り方、実践にあたっての注意点など、私のサロンがエリアトップクラスの集客を獲得するに至ったやり方も含めて紹介します。
- 効果的なコンセプトの作り方
- コンセプトに基づいたメニューの構築方法
- 競合店との差別化のポイント
コンセプトを決めるメリット


コンセプトを明確にすることが、どのようにサロンの成長とお客様の満足に寄与するかを探ります。
基本方針が決まる
コンセプトを決める最大のメリットは、サロンの基本方針が明確になることです。方向性の決定や、サービス品質の向上、新しいメニューの導入をスムーズに行えます。
トレンドの移り変わりや、競合の発生が早い美容業界では、常に同じことをしているだけでは廃れてしまいます。また、トレンドや競合に合わせるだけでは、方針がぶれてしまい、薄利多売の価格競争に飲み込まれてしまいます。もしくは全く集客ができない、なんてことも、、、。
コンセプトが明確であれば、トレンドをコンセプトに合わせて組み込めるため、完全に新しい物を取り入れる労力を削減でき、競合との差別化も可能です。
方針がはっきりすると、それに合わせた設備投資やスタッフの教育も効率的に進めることができ、サロンの発展につながります。
集客したい客層が分かる
コンセプトを明確にすることで、ターゲットとなる客層がはっきりします。特定の客層に焦点を当てると、ニーズに合ったサービスやキャンペーンを企画しやすくなります。
たとえば、若い女性をターゲットにする場合は、最新のトレンドを取り入れたスタイルやカラーリングが関心を引くでしょう。ビジネスパーソンをターゲットにする場合は、時間の効率を重視した迅速なサービスや、落ち着いた空間の提供が鍵になります。
このように、ターゲット毎に戦略が変わる中でも、ニーズに合わせた戦略を立てることができます。
採用にも強い
明確なコンセプトは、採用活動においても大きなメリットをもたらします。自分たちのサロンの特色を明確に伝えることで、志向性が合うスタイリストやアシスタントを引き付けることができます。
また、共通の価値観を持つスタッフが集まることで、チームワークが向上し、お客様に提供するサービスの質も自然と高まります。サロンのコンセプトを理解し、共感するスタッフが集まることで、長期的な成功を掴めます。
美容室のコンセプトの作り方


さあ魅力的なコンセプトを作りましょう…とは言っても、考え方を持たずにコンセプトを作り上げるのは難しいですよね。ここでは、私が開店したmulahの考え方を紹介します。
まだお店を開いていない方は、こちらまで飛んでください。
step①売上データの分析
過去の売上データを詳細に分析し、どのメニューがよく売れているかを確認します。最も役立つツールは、ホットペッパービューティーから送られてくる「サロンレポート」です。
サロンレポートには、予約数や予約平均金額、人気のクーポンなど、自店分析に役立つ情報が盛りだくさん。ホットペッパービューティーを契約しているサロン限定になりますが、活用しない手はありません。
step②お客様のフィードバック収集
レビューやアンケートを通じて、お客様がどのメニューに満足しているかを探ります。サロンはお客様に向けて行う商売です。「〇〇をやりたい」と考えていても、お客様からの需要が無ければ成功しません。お客様の意見をなるべくたくさん集めましょう。
また、既存のお客様以外にリーチする際には「ペルソナ」という考え方が役立ちます。「ペルソナ」とは、お客様の具体的なイメージを作成し、その人に合わせて施策を打ち出す方式です。
step③スタッフの意見収集
現場で働くスタッフからの意見も重要です。彼らはお客様の反応を直接見ているため、貴重な情報を提供してくれます。
またコンセプトを決定した後、実際に接客・施術を行うのもスタッフの方々です。ハイトーンカラーをコンセプトにしたいと考えていても、ハイトーンカラーが得意なスタッフがいなければ話になりません。
step④3C分析を行う
3C分析は、ビジネス戦略を考える上での基本的な枠組みです。サロン経営においても、この3C分析を活用することで、店舗の強みや市場のニーズを正確に把握できます。
Customer(お客様)
サービス業で最も重要な分析は、お客様を理解するための顧客分析です。お客様のニーズや要望を把握することで、メニュー、料金設定、店舗の雰囲気などが決まります。私がmulahを開店した明大前は特急駅ですが、特別な用事がなければ多くの人が立ち寄る必要のない駅。そうすると地域の方々が主なお客様になります。
そこで私は遠方から足を運んでもらうような尖ったお店よりも、地域の方がふらっと立ち寄れるようなお店にしたいと考えました。サロンのコンセプトをいくつか検討した結果、親しみやすいナチュラル系統に決定しました。
Company(自社)
自社の強みや弱みを的確に理解することで、他店舗との差別化を図ることができます。スタイリストとしての技術や経験はもちろん、店舗の立地や設備、スタッフの人数や専門性など、総合的に分析することが求められます。
自店が持つ独自の技術や、地域で唯一提供しているサービスなど、お客様に伝えるべき強みを明確にしましょう。アピールポイントになる!と思ったものがコンセプトになります。私の場合は店舗のマネージメントに自信があったため、お客様を集めやすく、スタイリストの間口も広いナチュラルを選びました。
Competitor(競合)
地域の競合店と比較して、自サロンの位置付けを明確にしましょう。同じ地域で競合店が提供しているサービス、価格帯、レビューサイト、口コミなどを参考にして情報を収集すると有効です。また、競合が展開しているキャンペーンやサービスを参考にすると、自店でも取り入れたり、逆に差別化のヒントを得られます。
mulahの周辺には競合店がいくつかありますが、ナチュラルを前面に押し出しているサロンはありませんでした。反対に競合とお客様の両方が多い原宿などのエリアでは、差別化のためにもっと尖ったメニューを前面に押し出してもいいかもしれません。
ポイントは価格競争以外のアピールポイントを見つけること。価格競争に陥ると、忙しくなるばかりで収益が上がらず、腕のいいスタイリストは転職してしまいます。
step⑤ターゲット(ペルソナ)を決める
ターゲット(ペルソナ)選定はコンセプトづくりで欠かせないステップです。どんな人にはどんなコンセプトが刺さるのかよく検討しましょう。
ターゲットにするお客様の具体的なイメージ。
ポイントは可能な限り具体的な人物像を作ること。
ペルソナを設定することで施策に一貫性が生まれる。
例)
- 25歳女性
- 居住地:蒲田
- 勤務先:五反田の保険代理店のOLさん
- 趣味:カフェ巡り、ランチ
- 髪が細く、傷みやすいことが悩み
- 髪の毛に疎いわけではないけど正しいケア方法を模索中
ペルソナを明確にすることで、メニューの開発や店舗の雰囲気、スタッフの教育方針などを効果的に決められます。若い女性をターゲットとする場合は、最新のトレンドを取り入れたスタイルや、SNSでの情報発信を強化するなどの戦略が考えられます。
ペルソナを設定する際は、具体的なデータや市場調査を参考にしましょう。地域の人口構成や、近隣の企業や施設、地域のイベントや特色を調査することで、ペルソナとするべき人物像を、より的確に捉えることができます。
step⑥打ち出す強みを明確にする
美容室業界は競争が激しいため、地域の他店に対して差別化を図る必要があります。わかりやすい強みはお客様がサロンを選ぶ理由になるとともに、新規のお客様を引き寄せるフックにもなります。
たとえばオーガニックにこだわったヘアケア製品を取り扱う、縮毛矯正を高い技術で提供する、などが考えられます。ナチュラルがコンセプトのmulahでは、植物由来のトラックオイルを販売したところ、単品でお求めのためにご来店いただくお客様も現れました。これは「コンセプト→施策→成果」の例として頭に入れておいていただけると幸いです。
コンセプトが決まったらやること


コンセプトが決まったら具体的な作業に入りましょう。ポイントはとりあえず、で手を付けずに段階を追って仕上げていくことです。
メニューを作る
メニューは美容室の名刺ともいえます。まずはサロンの強みや特色を反映して特化させましょう。たとえばmulahはナチュラルがコンセプトのため、ブリーチは控えめに記載しています。代わりに透明感カラーを前面に押し出して、明るい雰囲気を演出しています。
メニューの文言や価格にも統一感を持たせましょう。極端な例ですが、ナチュラルなのにギャル文字モリモリ…では予約する気がなくなりますよね。
写真を用意する
ヘアサロンはビジュアルの世界です。カメラの腕に自信がなければプロカメラマンに依頼してもいいでしょう。一方で「高級な機材がないから写真が撮れない」と嘆くのはまだ早いです。最近のiPhoneは性能が高く、プロカメラマンの職業をおびやかすほど。練習を積めば誰でもお客様フォトを撮れるようになります。
今回は特別に、サロンに掲載する写真のポイントを4点お伝えします。
- ナチュラル系なら自然光
- カッコイイ系なら強めの光で影を作ると映える
- 上から撮らない
上から撮ると頭が大きく見えて見栄えが悪くなる - iPhoneは少し離れてズームで撮ると頭が歪まないのでGood
ちなみに私のサロンに掲載されている写真は、スタッフ写真からモデル写真まで私が自然光で撮りました。写真は店舗の顔になるので、妥協はしない方がいいでしょう。私が開店にあたって最もお金をかけたのはモデルさんの出張料。まだ写真を撮らせていただくお客様がいなかったので、モデルさんをお呼びしました。
光を当てたいならレフ版を使うと便利です。写真技術は一生ものなので、一度身に付ければずっと撮り続けられます。ぜひ練習してみてください。
設備を用意する
コンセプトが決まったら内装をバッチリ決めなきゃ!と焦るかもしれませんが、ご安心ください。私の経験上、内装が新規やリピーター集客力を大きく左右することはありませんでした。極端に汚かったり、あると言っている設備がない場合は話が別ですが、内装写真でページを離脱するお客様は少なめです。
むしろ内装に自信がない場合は、その写真枠にヘアスタイルの写真をたくさん掲載して内装を省略してしまってもいいと思っています。お客様の不安は「どんな内装かわからない」よりも「どんな仕上がりになるかわからない」の方がはるかに大きいです。
コンセプトづくりの注意点


コンセプトが決まって作業を始めたら、つい仕事を終わらせることに意識が行ってしまいますが、忘れてはいけないことを紹介します。
すべての媒体でコンセプトを統一する
自サロンの情報を掲載するあらゆる媒体で世界観やコンセプトを統一しましょう。ホットペッパービューティー、Instagram、ホームページ。フォーマットも制約も別々の媒体ですが、写真や文章の雰囲気は必ず統一しましょう。
多くのお客様がサロンへの来店を決意する前に複数の媒体をチェックしています。たとえばホットペッパービューティーを見てくれたお客様がインスタを見たら雰囲気が違って離脱してしまう、という現象は頻繁に起きています。
コンセプトにズレがおきないように、掲載している媒体はまとめて更新するようにしましょう。
持っている機材でできることをする
高額な機材や設備の導入を考える前に、すでに持っている機材を有効活用しましょう。カメラがないから写真が撮れないとつぶやくそのスマホで写真は撮れます。撮影する場所や角度などを調整すれば、掲載して恥ずかしくない写真が十分に撮れます。
すでに営業していれば写真を撮らせてくれるお客様もいるでしょう。コンセプトによってはモデルさんを呼ぶ必要もありません。モノを買う前に頭をひねって、コンセプトに合わせるにはどうしたらいいか考えてみるといいでしょう。
チームでコンセプトを共有する
サロンのコンセプトは、オーナーや経営者だけではなく、スタッフ全員の共通の理解と努力によって出来上がります。コンセプトを策定した際には、スタッフ全員で共有し、理解を深めるミーティングや研修を実施することが重要です。
mulahでも写真の撮り方にはこだわってスタッフ間で共有し、世に出る写真が店舗の顔になるように努めています。
まとめ|コンセプトを作って集客力と採用力を高めよう
サロンは技術や最新の設備だけで成功するわけではありません。コンセプトを明確にすることで、目指すべき方向性が決まり、戦略も一貫したものとなります。強固なコンセプトを土台として、更なる成功を目指してください。
よくある質問
コンセプトを変更する際、既存のお客様をどのように取り込めば良いですか?
コンセプト変更の際は、既存のお客様に対して変更の理由とメリットを明確に伝えることが重要です。変更前後で継続して提供されるサービスや、新しいコンセプトによる利点を強調し、お客様が変更をポジティブに捉えられるようなコミュニケーションを心がけましょう。
コンセプトを決める際、スタッフの意見をどの程度反映させるべきですか?
スタッフの意見は非常に重要です。彼らは直接お客様と接するため、貴重な現場の声を提供してくれます。コンセプト決定の際には、スタッフの意見を積極的に聞き、可能な限り反映させることで、スタッフのモチベーション向上とチームワークの強化にもつながります。
コンセプトに基づいたメニュー再構築で失敗しないためのポイントは何ですか?
メニュー再構築では、まず現在の売れ筋メニューとお客様のニーズを正確に理解することが大切です。さらに、新しいコンセプトに沿ったメニューが市場で受け入れられるかのリサーチも重要です。また、新メニュー導入時には小規模なテストを行い、お客様の反応を見ながら徐々に展開することが効果的です。
コンセプトに合わせたスタッフの教育やトレーニングはどのように行うべきですか?
コンセプトに基づいたスタッフ教育は、そのコンセプトに関連する知識や技術、接客方法を中心に行います。具体的には、コンセプトに沿ったサービスの実践的なトレーニング、ロールプレイ、継続的なフィードバックと改善のプロセスが効果的です。コンセプトに共感し、それを具現化できるスタッフを育成することが重要です。
コンセプトの変更によるリスクはありますか?どう対処すれば良いですか?
コンセプトの変更は、既存のお客様の離反やブランドイメージの混乱を招くリスクがあります。これを避けるためには、変更の目的とメリットを明確にし、お客様やスタッフに対して十分な情報提供と説明を行うことが重要です。また、変更を段階的に導入し、お客様やスタッフからのフィードバックを随時取り入れることで、スムーズな移行を助けることができます。変更はリスクを伴いますが、適切なコミュニケーションと計画的な実行で、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。











