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美容師は体への負担が大きい職業です。特に腰痛は多くの美容師が経験する職業病と言えます。仕事中のみでなく日常生活にも影響が出る腰痛。ひどい場合は腰痛が原因で美容師をやめてしまう方もいるほどのお悩みです。
- 長時間の立ち仕事で腰が痛い
- 前傾姿勢での作業が辛い
- 腰痛対策の方法がわからない
この記事では、美容師が腰痛になる主な原因を解説し、日々の業務で実践できる腰痛の予防方法とお勧めのアイテムを紹介します。
- 腰痛の主な原因とそのメカニズム
- 腰痛を予防するためのストレッチやエクササイズ
- おすすめの腰痛対策グッズ
美容師が腰痛になってしまう原因とは


美容師が直面する腰痛の問題は、日々の業務環境や行動に根差しています。このセクションでは、腰痛の主な原因として挙げられる5つの要因を詳細に解説します。
前傾姿勢が多い
美容師の仕事では、カットやシャンプーをする際、自然と前傾姿勢を取ることが多くなります。前傾姿勢は腰に負担をかけ、長時間続くと腰痛を引き起こす原因となり得ます。
特にシャンプーでは、人体の中で最も重い頭を支えながらのぞき込む姿勢を取らなければなりません。バックシャンプーであればまだ腰への負担を低減できますが、サイドシャンプーでは大きな負担になります。
また、カラー剤を使用する際にも中腰になります。たとえエプロンをしていても、カラー剤が自身の衣服についてしまうことがあります。特に白い服を着ている場合、少しでもカラー剤が付着すると台無しになってしまうため、衣服に気を取られて前傾になりがちです。
重心のずれ
重心のずれは筋肉への負担を不均一にし、腰痛へとつながります。お客様を施術している最中は、施術のバランスを見るために片側に重心が寄ってしまったり、備品を取るために上半身をひねるシーンが多くなります。
また、美容師は立ち仕事です。長時間立ち続けると足に負担がかかるため、楽な姿勢を選び片足重視になってしまいがち。重心が片方によってしまうと、筋肉のバランスが悪くなり腰痛につながってしまいます。
長時間立ちっぱなし
美容師は一日の大半を立ち姿勢で過ごします。長時間の立ち姿勢は腰への負担を増大させます。
長時間の立ちっぱなしは、下半身の筋肉に集中して負担がかかり、コリが生じます。筋肉のコリが起こると、血行が悪くなるため腰痛が起こってしまいます。特に骨盤付近の中殿筋は腰痛に繋がりやすい筋肉ですので注意してください。
靴が合っていない
自身に合っていない靴は、足への負担を増やします。靴は姿勢維持に大きな影響を与えるため、履いている靴が自身に合っていない場合、無意識にバランスを取ろうとして不自然な姿勢になり腰痛に繋がります。
また、靴は足の疲れにも直結します。美容師はファッションにも気を遣わなければならないため、長時間立ち続けるのに向いていない靴を選んでしまう方もいます。
しかし、足に疲労がたまり腰痛になってしまう場合が多いため、最低限クッション性があり、履きやすい靴を選びましょう。中敷きを入れて足の負担を減らすだけでも効果があります。
筆者はスタイリストになった後すぐに良い革靴を買いました。そのおかげか足も痛くなりにくいです。


シザーケースを腰から下げる
多くの美容師が使用するシザーケースは、腰部にかける重量が不均衡になることで腰痛の原因となります。一日中重たいシザーケースを身に着けていると、腰に大きな負担がかかります。
特に、シザーケースを緩めに巻いている場合は、無意識に落とさないよう腰に負担がかかる姿勢をとってしまいがちです。肩掛けのシザーケースを使用している場合も、体全体の重心が傾くほか、肩こりを起こしがちです。
一番最初に勤めたサロンの店長はなるべく片方に重心がよらないようにか真ん中側にシザーケースを巻いてました。
腰痛の対策方法


美容師の腰痛対策には、生活習慣の改善や体のケアが欠かせません。ここでは、腰痛を和らげるための実践的な方法を紹介します。
ストレッチ
ストレッチは、筋肉の緊張を和らげコリをほぐせるため、血行促進の効果があります。特に、腰周りの筋肉を意識したストレッチは、腰痛予防に効果的です。仕事の合間に短時間でも行うことで、腰の負担を軽減できます。
仕事中にできるストレッチ
1.背中を反る お尻に手を当て、背中を反りましょう。ポイントは天井を見るように顔を上に向けることです。
2.体側伸ばし 頭の上で手を組み、上半身を横に倒しましょう。
3.腰回し 腰に手を当て、横に円を描くように回しましょう。なるべく腰だけを回すようにすると良いです。
家で行うストレッチ
1.膝倒し 仰向けの状態で両膝を立て、両足を揃えましょう。そのままゆっくり両膝を床まで倒しましょう。左右交互にに5分ほど行うと良いです。
2.足首掴み 横向きに寝た状態で、上側に来る足の膝を曲げます。まげた側の足首を掴みさらに押し込み30秒キープしましょう。反対の足も同様です。
3.猫のポーズ 四つん這いになり、背中を上に突き出しながらへそをのぞき込み10秒ほどキープしましょう。次に両手を前に出し胸を床に近づけた状態で10秒ほどキープします。
ストレッチには血行促進効果があるため、腰痛対策に有効です。しかし、無理に行うとかえって腰痛を悪化させてしまう場合があります。どのストレッチも気持ち良い範囲で行いましょう。
腰の負担を減らす姿勢
仕事中の姿勢も重要です。例えば、腰から上半身を曲げるのではなく、膝を少し曲げるなど、足を使うようにしましょう。腰への圧力を分散させる姿勢を心掛けることが効果的です。
また、普段の姿勢も気を付けましょう。猫背や反り腰は腰痛の原因です。腹筋を締め、背筋を伸ばした姿勢を心がけましょう。


筋トレ
腰痛は運動不足からも起こるため、筋トレも有効な予防策です。筋肉はコルセットの役割も果たすほか、血流を良くする効果もあります。定期的に筋肉を鍛えることで、腰への負担を軽減できます。
プランク


インナーマッスルを鍛える代表的なトレーニングです。
- うつぶせの状態から肘を床につき90度に曲げる
- つま先を立て肘とつま先で体を持ち上げる
- かかとから頭まで一直線になる姿勢を30秒間キープする
体が一直線になること。前を向いてしまうとお尻が下がってしまうため、視線は地面に向けましょう。また姿勢の維持が厳しい場合は無理をしないようにしましょう。
ヒップリフト


体の背面を鍛えられるトレーニングです。
- 仰向けになり膝を90度曲げる
- 両手をまっすぐ体に沿って伸ばし、肩で体を支えながら背中と腰を持ち上げる
かかとが地面から離れないこと、腰をそらさないこと。特に腰をそらせすぎてしまうと、腰に負担がかかり腰痛を悪化させてしまう恐れがあるため注意しましょう。
レッグレイズ


レッグレイズは腸腰筋と腹筋を鍛えるトレーニングです。
- 仰向けになり両足を揃える
- 上半身を床に着けたまま、両足を伸ばした状態で腰が90度になるまで上げる
- ゆっくりと足を下す
なるべくゆっくり両足を上げ下げすること。レッグレイズは負荷の大きい自重トレーニングです。腰への負担もかかるためすでに痛みのある方は、絶対に無理はしないようにしましょう。
筋トレは腰痛予防に効果的ですが、負荷をかけすぎてしまうと腰痛を悪化させてしまう場合もあります。必ず無理のない範囲で行いましょう。また、すでに重大な腰痛を抱えている場合は医師に相談し、筋トレをしても良いか相談しましょう。
病院に行く
腰痛が慢性化している、ひどい痛みが出る場合は、専門の医師に相談しましょう。早期に専門家の診断を受けることで、症状の悪化を防げます。
特に、激しい痛みが出る場合は早急に受診しましょう。腰痛に起因する椎間板ヘルニアや、腰以外に起因する解離性大動脈瘤などの症例もあります。少しでも不安があれば医師に相談してみましょう。
忙しいからといって放置しておくとずっとコルセット生活、なんてことにもなりかねません。
現役美容師がおすすめする腰痛ケアグッズ


腰痛の予防とケアには、日常生活で使用できるさまざまなアイテムがあります。ここでは、特に美容師におすすめの腰痛ケアグッズを紹介します。
コルセット
コルセットは腰部をサポートし、姿勢の矯正に役立ちます。腰にフィットする設計のものを選ぶことで、長時間の立ち仕事中も腰を安定させ、痛みの軽減につながります。
コルセットを常用しすぎると体を支える筋力が低下し、腰痛を慢性化させてしまう場合もあるため、コルセットに頼り切らないようにしましょう。
また、締め付けがきつすぎるものは血流の妨げになるため、痛みが増してしまう場合もあります。締め付けを変えられる物や、自分に合ったものを選びましょう。腰痛がひどい場合は病院で処方してもらえる場合もあります。
軽いシザーケース
美容師にとって欠かせないシザーやコームなどの持ち運びに使用するシザーケース。シザーケースは意外と重量があり、常に腰巻や肩掛けをしていると重心が傾いてしまい腰痛につながります。かといって、必要なシザーの重さは削れませんよね。
そこで、ケース自体が軽量なものを紹介します。重量は100g以下で、腰巻と肩掛けのどちらにも対応可能。また、たまった髪の毛を簡単に掃除できる開放口もついています。
シザースタンドという選択肢も
重たいシザーケースを付けていたくないという方は、シザースタンドという手もあります。シザーやコーム、バリカンなども立てられるため、常に身に着ける必要がありません。
筆者は一時期ずっとワゴンの上に置いて使っていましたが、非常にステレスフリーでした。
温感グッズ
腰部を温めると血流が良くなるため、腰痛の緩和に効果的です。温感グッズは数百円で買えるものから数万円するものまで幅広くわたり販売されています。今回は私が実際に使って効果のあった商品を紹介します。
マッサージ・ストレッチ器具
ストレッチをサポートする器具は、腰痛予防に有効です。ヨガマット、ストレッチポール、バランスボールなど、様々な種類があります。これらを使用することで、自宅やサロン内でも簡単にストレッチを行うことができます。
今回は私が個人的におすすめのアイテムをご紹介します。
寝具
良質な睡眠は腰痛ケアにおいても重要です。適切な硬さのマットレスや、体形に合った枕を選ぶことで、腰への負担を軽減し、快適な睡眠をサポートします。特に、腰痛に悩む美容師には、体圧分散に優れたマットレスがおすすめです。
寝具はそれぞれの体形に合ったものを選びましょう。必ず一度販売店に行き、寝心地や体に合っているかを確認するようにしてください。
まとめ
美容師として働き続けるには、腰痛の予防と対策が不可欠です。対策やグッズを取り入れることで、美容師としての業務を健康的に長く続けられます。せっかく美容師になれたのに、腰痛で転職するのは寂しいですよね。
体が資本の美容師は、日々のケアが重要です。腰痛がある方は、我慢をせずに一度医師の診断を受けるようにしましょう。自身の健康管理、スタッフの健康管理が、サロンの行く末を左右します。
よくある質問
美容師の腰痛は仕事を続ける限り避けられないものですか?
腰痛は美容師にとって共通の課題ですが、適切な予防策と対処法を取り入れることで、症状を軽減し、仕事への影響を最小限に抑えることが可能です。
腰痛がある場合、美容師としての仕事を一時的に休むべきですか?
腰痛の程度にもよりますが、激しい痛みや機能障害がある場合は、仕事を一時的に休むか、業務内容を調整しましょう。自身の健康が一番ですので、医師の意見を参考に判断してください。
腰痛予防のために日常生活で気をつけるべきことはありますか?
はい。日常生活での運動不足を解消し、姿勢を正すだけでも腰痛予防になります。
美容師としての長時間の立ち仕事が腰に負担をかけていると感じる場合、どのような対策が有効ですか?
長時間立つ際は定期的に体勢を変え、軽いストレッチや歩行を取り入れましょう。また、自身に合った靴を選ぶことも重要です。
美容師の腰痛にはどのような医療専門家に相談すればよいですか?
整形外科医です。また、整体に行くのもお勧めです。


















































