エクステ(ヘアーエクステンション)は、既に生えている髪に人毛や化学繊維でできた追加の髪を延伸(エクステンション)する美容技術。地毛の長さでは実現できない、ボリューム感のあるスタイルが表現できるようになります。
そんなエクステに、皆さんはどのような印象を持っているでしょうか?ギャルファッション?ウィッグの一種?そんなイメージに「NO」を突き付けるのは、15店舗のフランチャイズを持つエクステ専門店「セクション」のオーナー山本智昭さんです。
エクステ歴23年の山本さんが提案する次世代のエクステは、毛量、長さ、髪質、髪色にとらわれない自由なスタイリング。世間のイメージを過去のものにする独自技術が生まれた背景と新技術の魅力を伺いました。
この記事を書いた人
エクステ専門美容室セクション 山本智昭さん


役職 | オーナー |
美容師歴 | 25年 |
エクステ歴 | 23年 |
趣味 | 4つ打ち系音楽鑑賞・ライブ鑑賞 |
若手時代にエクステの道を極めると決めた理由は「他と違う武器が欲しい」だったという山本さん。「美容室は髪を切る場所。その逆を専門にする美容師がいてもいいじゃないか」と、エクステを取り扱う美容室に就職したといいます。
以降は修行の合間に自分でもエクステの研究を重ねました。セクションのオーナーになってからは「エクステの常識を覆す」と、講習や、合格者のフランチャイズ加盟を進め、現在は15店舗のフランチャイズを持つグループのオーナーになっています。
従来型エクステの課題


エクステ店に足を運ぶ選択に踏み切れない人が多くいる背景には、技術的な課題と店舗のイメージという、ふたつの課題があるといいます。
【技術的課題①】馴染むエクステが少ない
ーーエクステが技術的に敬遠される理由は何でしょうか?
山本さん 実は髪に馴染むエクステを付けてくれるサロンは少ないんです。髪の毛の状況は人によって違うので、全員に同じような施術をすると、馴染まない人が出てきます。マニュアル通り同じ位置に同じ本数のエクステを付けるだけだと、クラゲのようにエクステ部分が浮く現象が起きます。
また、エクステは色が合いにくいと思われている方も多いでしょう。通常のエクステは地毛に似た1色で作られるので、エクステ部分が目立ちやすくなります。
結果としてサロンとしては馴染んでいる様子を写真に収めてお客様に見てもらいたいので、カールさせたスタイル写真でごまかすことが多くなります。お客様は「私はストレートがいいのにな…」と、需要にマッチしない現象も起きてしまいます。
【技術的課題②】髪を切られることが多い
ーーエクステを付ける前には髪を整える必要がありますよね。
山本さん はい。それがエクステを敬遠される理由のひとつになっています。エクステは髪を伸ばすために付けますよね。しかし、多くのサロンがバッサリと事前カットをするので、「エクステに行くと髪を切られる」という印象を持たれている方も多いでしょう。
セクションはあまり地毛を切らず、地毛を伸ばすことでエクステを卒業してもらうことが最終的なゴールになっています。


【精神的課題】若者向けサービスの印象が強い
ーー山本さんは大人女性向けのエクステにも注力していると伺いましたが、やはりエクステにはギャルのイメージがあります…
山本さん 「最近毛量が少なくなってきたからエクステがしたいな」と思っても、サロンに行ったらギャルばかりだと思うと腰が重いですよね。セクションではそのような抵抗感をなくすため、エクステ施術中は店内を貸し切りにします。
エクステを受けている間、他のお客様と会うことがないとわかっていれば、抵抗感少なくご利用いただけるのではないかと考えています。
セクションのエクステ提案
従来型のエクステ施術がもっていた課題を一挙に解決できるというセクションのサービスを詳しく伺いました。
独自技術で徹底的に馴染ませる
ーーエクステを検討しているとき、消費者はどうすればエクステの自然さを見分けられますか?
山本さん スタイル写真を見比べてください。多くのエクステ店では、エクステの境界線が目立ちにくくなるようにカールさせたスタイル写真を掲載しています。セクションは逆に、ストレートの写真しか掲載しません。
ストレートは境界線がハッキリするので、写真のごまかしがききません。そのまま街に出ても、誰にも気づかれないようなエクステができる当店は、必ずストレートの写真を掲載しています。




ーーセクションは具体的にどうやって馴染みやすいエクステを実現しているのですか?
山本さん セクションは長年の研究から生み出した独自マニュアルに沿ってエクステの施術を行います。一般的には決まった本数を決まった位置に付けますが、私たちはお客様の髪の状況によって柔軟に付け方を変えて自然な仕上がりを実現します。柔軟でありながら再現性をもって施術できることがセクションの特長です。
仕上がりの自然さはまだまだ追求中です。現在は「LEDエクステ」という、海外で爆発的な流行が始まった技術を真っ先に取り入れてメニューを開発しています。
従来型のシールエクステは地毛でシールが隠れる位置にしか付けられませんが、LEDエクステは付ける場所を選びません。増毛エクステが可能なので、地毛にカラーをしたような仕上がりになります。
ーー位置や本数は変えられても、色合わせは難しいのではないでしょうか?
山本さん 実は色合わせがエクステ技術の中で特に得意なことなんです。多くのサロンでは一色で地毛に似た色を作りますが、それでは馴染みません。セクションは2色以上のエクステヘアを組み合わせるので、インナーカラーやメッシュを入れていてもよく馴染みます。
切る髪がなくても受けられる
ーー先ほど「エクステを卒業する」という話がありましたが、具体的にはどういうことでしょうか?
山本さん エクステは地毛を伸ばしたくて行う施術です。だからセクションは抗がん剤治療で髪が一時的になくなっている方にも施術を行っています。
髪がない方はボブのウィッグを付けて来店されることが多いです。セクションではそのようなお客様がウィッグを卒業するお手伝いをさせていただき、長期的にはエクステも卒業していただければと思っています。
ストレートヘアの大人女性大歓迎
ーーエクステ施術中、店内を貸切にするサービスの反響はいかがですか?
山本さん よく喜ばれますし、おかげで幅広い年齢層の方からご支持をいただいています。自分と年齢層や雰囲気の違う人ばかりがいるサロンには入りづらいですよね。サロン全体をひとつの個室として使えるようにしたことで、多くの年齢層の方からご利用いただけるようになりました。


エクステの良さを広めたい
今後はエクステの魅力をもっと多くの方に知ってもらい、利用者を増やしていきたいと語る山本さん。まだまだ若者向けのイメージが強いエクステですが、あらゆる女性の「髪を増やしたい」に対応できると胸を張ります。
全国でも珍しい「切らずに馴染む」エクステについてもっと知りたいと思った方は、ぜひセクションのホームページもご覧ください!